東京小唄・清元・三味線教室

明治は遠く

投稿日:2011年11月3日

【歌詞】
浅草の 昔なつかし十二階 江川の玉乗り珍世界 活動写真は電気館 
瓢箪(ひょうたん)池には亀や鯉 山雀芸当花屋敷 ダークの操り 安本亀八生人形
観音様の奥山は 早取写真に 売ト者 軒を並べて客を呼ぶ 松井源水居合抜き 
砂絵の婆さん地に描く 明治は遠くなったもの
【解説】 伊東深水詩・春日とよ曲
この小唄は伊東深水が明治の浅草を懐かしく唄ったものである。「十二階」は明治二十二年に作られた東京名所「凌雲閣」のこと。「江川の玉乗り」は十二階のすぐ前にあった軽業の小屋で、肉襦袢を着た若い娘たちが、大きな玉に乗って廻る曲芸のこと。「珍世界界」は六区の興行街にあった珍しい見世物でX光線と称して掌ぼ骨を透視して見せて人気があった。「山雀芸当」は可憐な山雀という鳥が「葛の葉子別れ」などの芝居を演じ「ダークの操り」はダークという外人が広めた西洋式の操り人形で「安本亀八生人形」は菊人形で当時nスターたちを並べて人々の話題を呼んだ。「奥山」は旧幕時代から観音様の後方の地内を差し指し見世物や大道芸人が軒を並べて客を呼んだ。「早取写真」はテント貼りで撮影後十五分くらいで写真を仕上げて客に渡した。「売ト者」は大道易者ののことで「松井源水居合抜き」h文政以後松井源水が居合抜きと曲独楽で人を集めて歯磨粉や歯の薬を売った。「砂絵の婆さん」は色とりどりの砂を箱から出してきゃくの注文に応じて地面に砂に絵を描いて投銭を貰った。

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