東京小唄・清元・三味線教室

小唄  「おしどり」

投稿日:2012年6月5日

おしどりの飛び立つ程に 思えども飛ばれぬ辛さ
待ちわびて無理にあわせた 畳算じれて迷うて
じれて煙管に歯のあとが 夜明けの星の二つ三つ四つ
【解説】
江戸時代、籠の鳥のように外出を許されぬ廓の女は、好いた男との儘ならぬ逢瀬に、占や神頼みをするよりほかに道がなかった。「畳算」とは畳で是非、吉凶を占う方法で、どうぞ顔をみせてと念じつつ、煙管なり箸なりを投げて、その品物が横たわっている畳の編み目を数えて、丁ならば吉,半ならば凶とすることで(西鶴「重井筒」)吉と出ると鼠鳴きをして喜んだものであった。
 廓の女を「飛び立つほどに思えども、飛ばれぬ鴛鴦」にたとえた所は哀れである。無理に畳算を合わせて、夜通し待ったが、恋しい男の姿が見えず、じれったさに癇癪をおこしてかんだ長煙管の歯のあとが二つ三つ四つ、夜明けの星のように残っているという意味である。
☆とよ裕美若様が6月25日(月)春日会研究会で唄われます☆春日会の師範の皆様による演奏会です!応援宜しくお願いいたします。

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