東京小唄・清元・三味線教室

二人が仲

投稿日:2012年11月5日

【歌詞】
本調子
二人が仲をお月様 それとすいなる朧影
吸いつけ煙草の火あかりに 話も更けてぞっと身に
夜寒の風にしみじみと じれったい夜も口の内
【解説】
江戸末期に作られた江戸端唄を小唄化したものである。
今宵も男は廓の中引け(午後十二時)過ぎに、遊女屋の格子先に忍んで来るので、二人の仲をすれと知ったお月さんは、粋をきかせて朧に隠れる。男は妓の格子越しに差し出す吸いつけ煙草の火明かりに、お互いの顔のやつれを見て、声も出さずに忍びなきする。夜は次第に更けて、夜寒の風が遠慮なしと二人の身に沁みるが、二人はこの先どうしようかという話し合いがなかなかつかない。妓は男の決心がつきかねるのをもどかしがって、「じれったいね」と口の中でつぶやく、といった光景を唄ったものである。(小唄鑑賞 木村菊太郎著)

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