東京小唄・清元・三味線教室

梅は咲いたか

投稿日:2014年3月3日

【歌詞】
梅は 咲いたか桜はまだかいな 柳やなよなよ風しだい
山吹や浮気で 色ばっかりしょんがいな
あさりとれたか蛤やまだかいな 鮑くよくよ片想いさざえは悋気で 角ばっかりしょんがいな
柳橋から小船を急がせ舟はゆらゆら波しだい 舟から上がって土手八丁吉原へご案内

 

【解説】
 明治五年に流行した俗曲『しょんがえ節』が  江戸端唄となり、江戸小唄に採り入れられたものである
梅、桜、柳、山吹の春から初夏への樹木をとらえてその色あ いや枝ぶなどを面白く自然のままあらわしたもので、太鼓
などを入れて下座音楽などに使われ有名である。梅と桜 は昔から美しいもの、またよいもののならんでいることを意
味している。「柳なよなよ」とあるからここではしだれ柳の 事で風に少しも逆らわずに巧みに受け流すことをあらわ
している。山吹は一重のものは、山野に自生し、八重のもの は庭に栽培せられてその色は黄色で俗に山吹色などどいわ
れ、小判のこがね色を意味しているが実がならないので、こ こには「色ばっかりしょんがいな」と唄って仕様がないとあき
らめている。世の中の多くの人々の心事を花や木にたくし て唄ったものである。

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