小唄入門

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こんにちは

小唄入門(昭和30年1月発行、本山萩舟、杉原残華著)という小唄全盛期に出版された本を読んでみましたので、紹介させていただきます。

小唄とは、手っ取り早く言えば、「話し上手に聴き上手の境地」だということである。
話術の巧みさと同じようなもので、話している当人もいい気分なら聴き手に回った人も思わず引き込まれるという気合いである。
従って、気取って唄い出す必要もなければ、ことさら紋付き袴の心構えといったものも考えなければいけないということもない。
淡々として唄い出し淡々と唄いおさめて、しかも心がしっとりと濡れる境地に至れば申し分ないのである。
要するに、唄ってから肩がこるとか、息苦しくなるというような無理をせずに、浴衣を引っかけてお湯屋へ行くような心安さをもって親しんで頂きたいと思うのである。

「小唄は三味線をあしらいに使って唄い、端唄は三味線にのせて唄う、小唄は唄い込まれる唄の文句の面白さを味わい、端唄は節回しと声づかいのよさに耳を傾ける。端唄は三味線にのせながら三味線にひきずられぬ自由さを持って唄い、どこまでも声を聞かせ、節を聞かせるものだが、小唄はあくまで文句と気分を味わせるものでなければならない」
これは、平山盧江氏の主張であるが、言い得てまことに妙である。

先日、初めて第49回ライオンズ小唄会に出席させていただき、ベテランの諸先輩の小唄を拝聴して、著者の話をなるほどと納得した次第です。
特に、トリを取ったライオンズ小唄会会長の小唄は、師匠からも一度聴いておいた方がいいと言われましたが、声の張り、艶、間、音程、節回し、小唄の文句と気分に引き込まれてしまいました。
「気分よく」は、師匠もよく口にされますが、小唄って皆をいい気分にさせる『癒し系の和芸』なんですね!