夏はやっぱりビールかな

小唄のお稽古を終え、気のおけない仲間と語らって谷中界隈の小料理屋になだれ込み、冷えたジョッキを傾けると、本当に生きている喜びを感じます。旨い枝豆に、から揚げ、フライドポテト、焼き肉でもあれば言うことなしです。
 また、ビールのアルコール度数は焼酎やウイスキーほど高くなく、食欲を増進させる約7度なのであります。
そのため、私どもビール大好き人間はおつまみを多く食べる傾向があり、また飲食にかける時間も長くなり、これがぽっこりビール腹の原因となっている訳です。
そんなビールを唄った小唄はあるかと探してみますと、「松の木小唄」の替歌を見つけました。
サッポロばかりがビールじゃない
アサヒもキリンもみなビール
だけど私が欲しいのは
今夜のあなたの唇(くちビール)
ご存じの通り、「ビール」という言葉は、俳句では夏の季語となっております。
そこで、小唄の曲名を入れて俳句(?)を作ってみました。
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ビール好き 痛風発作を 「恨むぞえ」
昼ビール 「男がようて」 千鳥足
大集合 「男なりゃこそ」 大ジョッキ
白糸が 「楽屋をぬけて」 ビール買う
「川風」の 涼しさ添えて ビール飲む
「今日もまた」 ぽっこり腹で 呑み明かす
ビ-ル飲み 枝豆食べし 「涼み舟」
「賑わいの」 ビヤガーデンで 酔いにけり
2日目に 「よりを戻して」 飲むビール
☆つぎはリョーコさんお願いします!

秋のホタル

先月、「奥高尾 案内川のほとり、竹林を抜けるそよ風にのり、まるで笛の調べに合わせるかのように乱舞するホタル。この夏は当店で会席料理を味わい、夢の一夜をお過ごしください。・・・」の文句に誘われて、喜裕美会ゆかた会で二次会・三次会と梯子し前日は夜中に帰宅したことも忘れ、家族でホタル観賞に行ってきました。
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夏のイラスト当日は、「月明かりがなく、雨上がりで、湿度が高く、風がない」等の条件が揃い絶好の「ホタル観賞日和」で、私達の個室の庭にはホタル達が竹林の周りを舞ってくれました。1週前の土日は大雨で一匹も顔を出さなかったそうです。
今回顔を見せてくれた良い子達は、日本ではゲンジボタルがホタルの代表であるかのように考えられますが、ゲンジボタルより小さいヘイケボタルでした。
仲居さん曰く、「蛍の光はオスとメスが出会うための合図。メスの弱い光に対してオスが強い光を放ち、プロポーズしている。」とのことでした。
さて、ホタルを唄う小唄は、「オランダ坂の夜の雨・・・」で始まる江戸前の粋な「ほたる茶屋」を始め、夏の夜初心な小娘の想いを唄った「土手に飛交う」、或いは恋心に悩む情景をしっとりと唄った江戸小唄の「秋の七草」等幾つかの作品があります。
特に「秋の七草」について、喜裕美師匠のブログ(2010年10月4日)で、ホタルの命は夏で尽きてしまうのが普通であるが、時には秋まで残っていて淡い光を放つため、稲田の露と見間違えることがあることがある。この作品はそんな情景を唄っていると解説されております。
また、今回鑑賞したホタルは、ゲンジボタルより一か月程遅くまで生息するヘイケホタルですので、小唄「秋の七草」に登場するホタルはきっとヘイケボタルですね。
ホタルを手で触るのはタブーと言われておりますが、仲居さんが持ってきてくれたヘイケボタルを手の平に乗せ、「これからは秋に向かう季節、君達が命を無くす前に『秋の七草』の稽古に入るからね」とホタルに約束した私でした。
☆次は油屋さんお願いします!

たかが小唄されど小唄

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喜裕美会ブログにて紹介されております通り、喜裕会と喜裕美会合同で製作する「小唄CD」が完成しました。喜裕美師匠は、「皆様の個性溢れる味わい深い小唄CD」とお上手な表現をされておりますが……。私が唄った「こころでとめて」は、自分としては決して満足できる結果ではありませんでした。同曲はかなり唄い込んできた筈なのですが、まだまだ甘いようです。たかが小唄と思いますが、いくらやっても、本当に難しいものであると今更ながら痛感しました。同時に「たかが小唄」の文句が頭に浮かびました。
「たかが小唄」河合 勇作、千紫千恵曲
たかが小唄というけれど たかが小唄はむつかしい
  前弾のすまないうちから唄い出し まだよと横目で
     にらまれる 自分の声にききほれて
 やたらにのばして叱られる 乙におとしてなぞとは僭越な
ほんとに小唄はむつかしい わかっただけでも大進歩
   はじめて師匠にほめられた。
なお、私は昭和57年からふとした動機ですすめられて小唄を習い始め、故とよ喜美師匠が毎年向島桜茶屋で開催する春季(新年会)及び秋季(浴衣会)に向けて稽古に励み、平成5年4月に名取状を頂き、同年9月に三越劇場にて開催の「春日男性名取会」に出演(演目;こころでとめて)しました。
☆次は山屋様お願い致します。

初登場のヨッシーです

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新派名作撰、泉鏡花の生誕140年と銘打ち公演中の「婦系図」(三越劇場)を観てきました。
新派の代表作としてあまりにも有名で、私も幾度か観劇しておりますが、今回は、スーパー歌舞伎の三人(春猿、月乃助、笑三郎)が出演し、新派に新たに伊吹を吹き込むという話題作であることと、この9月より喜裕美師匠に小唄だけでなく清元も稽古をつけて頂いているので、今までとは違った観かたができるのではないかと思い、観劇することにしました。
幕開きには、小唄(「逢い見ての」)が流れ、芸者(綱次)が登場し、舞台が進行していきました。この舞台で上演された小唄4曲のうち、この曲およびその後に唄われた「とめてもかえる」は、既に習った曲ですので、思わず小唄の文句を口ずさんでしまいました。
二幕目はいよいよ「湯島境内」の場、「切れる分かれる・・・」の名せりふ、お蔦と主税の乱れる心が、おりからきこえる清元の詞章と相まって大きく揺れ動く様がみごとに描きだされました。涙腺の弱い私は、今回もまた号泣してしまいました。
翌日、早速、春日小唄集を開き、小唄「湯島境内」の文句を一読しました。
梅樹の下の主税とお蔦のことを想起しつ、また冴えた音〆の清元が・・・といった舞台を連想して唄えるように早くなりたいものです。
次は「山屋」様、宜しくお願いします。