投稿日:2026年5月2日
【歌詞】
申酉の 花も盛りの暑さにも負けぬ気性と見かけから言わずと知れしお祭りの なりもすかりそこら中 行き届かせてこぶもなくここでは一つあそこでは 頭かしらと立てられて 御機嫌じのと町内の 家ぬし方も夕日影風も嬉しく戻り道モシ皆さんもご苦労でござりやす こんな中で受けさせるじねえが ほんの事だが聞いてくんねえじたい去年の山帰り 言うは今更過ぎし秋初の一座の連れのうち面白そうな口合いに 好いたが因果好かれたも 心に二つはないわいなその時あいつが口癖にあきらめて何のかのとありただの人あか凡夫のわれなりこそ 滅法界に迷いやすお手が鳴るから銚子の代わり目と上て見たれば お客が三人庄屋ぽん狐挙 とぼけた色ではないかいな よいよいやな よいよいやな やあれよいこえかけろエー 引けやひけ 引くものにとりては 花に霞よ子の日の小松 初会の盃馴染みの煙草盆 お洒落娘の袖袂したばの履物 内裏女郎のお召物 座頭のまわしあやめに大根御神木のしめ縄 又も引くものは色々ござる 湯元細工のけん玉ぶり そ様故なら心の丈を 示し参らせ候べくの 人形筆売りこの首を長く出したり縮めたり 何とのろいじあるまいか 実にも上なき獅子王の 万歳千秋限りなく 尽きせぬ獅子の座頭と お江戸の恵みぞありがたき
【解説】
1845年に初演された、江戸の活気と粋が詰まった人気演目です。江戸三大祭りの筆頭、山王祭を題材にしており、祭りの高揚感を見事に描き出しています。
この曲の主役は、町のヒーロー的存在である「鳶頭(とびがしら)」です。ほろ酔い機嫌で現れた彼が、威勢よく、時には色っぽく振る舞う姿を通じて、江戸っ子の美学である「いなせ」を表現しています。
清元らしい繊細な節回しで語られる男女の情愛と、祭りの熱狂が交互に現れる構成が魅力です。聴いているだけで江戸の町にタイムスリップしたような、明るく華やかな気分にさせてくれる名作です。