投稿日:2026年9月20日
【歌詞】
昨日の雨にひきかえて 今日は勇みの上天気 川一番の親船も 子分子方の屋根船も さアさ晴れゆく惚れたら通え ポンと打上げ花火なら ふりつめたる流れ星 どっと消えよとそうや先してアイ・アイ
どうぞ手管と知りながら 仕掛け花火に手をやいた 我が身で我が身が馬鹿らしい 弾く三味線の高調子 どこもしら共大浮かれ す〜め上手に呑まされて 雲にかけ橋かすんで見える 粋な船頭衆も櫓櫂をすて〜 オット危ない飛んだ落ちっこ濡れの幕 月の出汐にあたりは黒幕夜となり 提灯つらねて大陽気 賑おう川のす〜み船
【解説】
江戸の風物詩である隅田川の「川開き(舟遊び・花火大会)」の賑わいと、その中で織りなされる粋な恋の駆け引きを描いた清元節の名曲です。
昨日の悪天候が嘘のようにすっきりと晴れ渡り、川面には大親分の船から子分の屋根船までがズラリと並びます。夜空にポンと打ち上がる大輪の花火や流星のような光に人々は大歓声をあげ、お祭り気分に包まれます。
中盤では「仕掛け花火に手をやいた」と、相手の手管(恋の駆け引き)にまんまと嵌まってしまった切なくも甘い情念を、花火に引っかけてユーモラスに描写。三味線の軽快な高調子や二上りの弾んだテンポに乗せて、船頭たちも櫓や櫂を投げ出して酔い痴れる狂乱と浮かれ模様が活き活きと歌われます。
終盤に向けて夜が深まると、川面には提灯の灯りが一斉に灯り、あたり一面は幻想的な大陽気に包まれます。江戸っ子の「粋」と風情、そして清元ならではの洒脱なメロディが凝縮された華やかで愛らしい名作です。