ゆかた会

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こんにちは

夏の小唄が多く唄われる日本小唄連盟主宰の第二十三回慈善演奏会(ゆかた会)を、喜裕美会のゆかた浚いに先駆けて鑑賞させていただきました。

日本小唄連盟は、小唄の流派の結束と小唄の持つ魅力を伝え、次の世代へ繋げることを目標に昭和31年に発足し、伝統芸能である小唄の昴揚と発展を図り、以てわが国の文化の進展に寄与することを目的としています。
(日本小唄連盟HPより)

春日慈善会は毎年11月に開催され、たいへん聴き応えのある会ですが、今回の慈善演奏会は、全82曲、5時間にわたって、いろいろな流派の小唄を堪能することができ、小唄の懐の深さを感じることができました。

夏の定番『川風』など、春日会でよく耳にする小唄も、節回しがかなり異なり、流派によってずいぶん違うものだと思いました。
また、『鶴次郎』と同じ替手が上調子の曲である『浮名も舟』『隅田の名どころ』『蚊やり香』『すだれごし』などを聴くことができ、たいへん勉強になりました。
上調子は、4の勘所辺りにギターでいうカポのような『かせ』を装着して糸を短くし、本手の完全4度上に調弦し、オクターブ違いで弾くことにより音に広がりを持たせたり、本手と違うリズムを加えて旋律に色を添えます。本手との『間』が一番大事で、音を色として捉える感覚で本手を生かして音の色彩を創り出していく技術が要求されます。爪弾きではなく、爪楊枝や手に隠れてしまうほど小さな小撥で弾きます。

日本人が忘れかけている日本の伝統、文化、歴史、季節感などを大上段に構えずに幅広く学ぶことができる、小唄三味線の楽しさを、今後も体感していきたいと思います。

川風

明治中期の作

川風に
つい誘われて涼み舟
文句もいつか口舌して
粋な簾の風の音に
洩れて聞こゆる忍び駒
いきな世界に照る月の
なかを流るる隅田川

(解説は師匠の小唄選曲集第一集10頁を参照してください)