東京小唄・清元・三味線教室

小唄 「都鳥」

投稿日:2020年4月12日

【歌詞】
都鳥 
流れにつづく灯篭の
よるよる風の涼み舟
波の綾瀬の水清く
心隅田の楫枕

【解説】
明治十一年七月に行われた「隅田川の流燈会」を唄った江戸小唄である。維新前まで行われた七月の盂蘭盆(うらぼん)に隅田川の水死人のための川施餓鬼(かわせがき)の行事を再興しようと考え、水神の森から毎晩都鳥の形をした灯篭を隅田川に流した。
 百を数える都鳥が波のまにまに流れて、淡い影を水に落とした。百花園の萩を見た帰りに、夕食代わりの団子を食べ、流燈会を見物する人も多く、この灯籠流しは大変な評判を呼んだ。この灯籠は上流の綾瀬口から流されたものと見え、見物がてらの涼み船も盛んに漕ぎ上がっていったものと見える。
 歌詞の中の「よるよる風の」は灯籠の寄りくることと夜毎の夜にかけたもの。楫枕(かじまくら)は楫(かじ)を枕にして寝るの意で、船旅のことである。
         (木村菊太郎 小唄鑑賞より)

都鳥=ユリカモメのこと。都鳥の名は古くから在原業平の詠歌によって知られている。因みに、鴨川でこの鳥が姿を見せるようになったのは、1974年のことで、それ以前では京では見られない鳥だった。

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