東京小唄・清元・三味線教室

小唄 「梅雨もよい」

投稿日:2020年4月13日

【歌詞】
梅雨もよい
傘もつほどはなかりしに
いつ降りそめし五月雨や
軒の玉水音さえて
雨もおつだよ 葉山の繁り
オヤ 時鳥
初音きかせてなまめかし

【解説】大槻正二詞・曲。大正五年の作。
五月雨の空模様、濡れて新緑が美しさを増す山の宿で、軒端に落ちる雨垂れの音を、二人で肩を寄せ合って聞いていると、うっとおしい雨もおつなものに思われてくる。そんな時、山の彼方からほととぎすの初音が聞こえて来るという情景。作者はこの唄をみずから神楽坂の芸妓達に教えて流行させたそうだ。この唄、オヤ時鳥のオヤの前後に三味線で時鳥の鳴き声を聞かせている。
梅雨もよい=今にも雨の降りそうな空模様
軒の玉水=軒先から落ちる雨垂れのことだが、古来多くの歌人に謳われた由緒ある言葉である。

雨を唄った小唄もたくさんありますね。「雨や大雨」「夏の雨」「五月雨や空」「五月雨に池」「これ程とめるのに」「今宵は雨」等々。
雨のお稽古場のお庭です。「雨もおつだよ・・・」と思える心の余裕がほしいものですね。

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