東京小唄・清元・三味線教室

小唄「五万石」

投稿日:2012年1月20日

【歌詞】
五萬石でも岡崎さまはアーヨイコノシャンセ お城下まで船がつくションガイナ
ヤレコノ船が着く お城下まで船が着くションガイナ ヨーイヨーイヨイコノシャンセ
マダマダハヤソ
(替え唄)めでためでたの若松様はアーヨイコノシャンセ 枝も栄えて
葉も茂るおめでたや ヤレコノ葉も茂る 枝も栄えて葉も茂るおめでたや
ヨーイヨーイヨイコノシャンセ マダマダハヤソ
【解説】
「五万石」の発生時期は不明であるが、曲調は「ヨイコノサンセ」という木遣り唄を巧みに三味線化したもので、幕末から唄われ始めたものと思われる。一説に矢作川を上下する船頭の舟唄に始まるともいわれるが、この田舎唄は幕末江戸に於いて江戸端歌として行われた。岡崎さまとは岡崎城主のことで、家康の出生地である城であるため、代々徳川譜代の臣が選ばれたが、ここでは本田家のこと。「お城下まで舟」が着く」は岡崎城の下の太平川に船着場があって、矢作川から回米、木綿、石材、塩などが揚げ下ろしされた。特に三河湾で出来た塩はここに揚げて、足助街道を通って馬で信州へ送ったという。五万石の小藩ではあるが、特に「天守閣」を許され、城下まで舟が着くことが、町民の自慢の種であったという意味である。江戸小唄「五万石」は江戸端唄から採ったものである。(江戸小唄 木村菊太郎著より)
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