東京小唄・清元・三味線教室

小唄「いざさらば(雪見船)」

投稿日:2012年1月25日

【歌詞】
いざさらば 雪見に転ぶところまで 連れて行こうの向島
梅若かけて屋根船に 浮いた世界じゃないかいな
【解説】
いざ行(ゆか)む雪見に転ぶところまで(芭蕉)の俳句を唄いだしに据えているが、江戸っ子は、この句を芭蕉が向島で作ったと考えその句碑を長命寺境内に建てた所が面白い。
 明治中期の粋な雪見船を唄ったもので、柳橋から漕ぎ出した屋根船は、障子を閉め切り、二人差し向かいで、雪の隅田川を上手(向島)を目指して遡る。船の中には炬燵が入って、熱燗で盃を交わしていることであろう。
「雪見に転ぶ所まで」のこの句をこの小唄に引用していることは、雪見に転ぶところまでゆくを覚悟で逢っている、ことを匂わせたもので「梅若かけて」の梅若は、向島で梅若をまつった木母寺のこと。「浮いた世界」は通人の言葉で、浮いた世の中ということで、これを船にかけて結んだものである。(小唄鑑賞 木村菊太郎著より)
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☆雪・・・でしたね。お稽古場の雪見障子からの景色がよかったです。石の上の綿帽子がかわいかったですね!昔は雪をも楽しむゆとりがあっていい時代でしたね、きっと。

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