投稿日:2014年10月7日
お稽古場のお花はすっかり秋模様です。
秋の小唄はたくさんありますが、その中から「秋の七草」を紹介します。
【歌詞】
秋の七草虫の音に鳴かぬ蛍が身を焦がす
君を待つ虫鳴く音に細る恋という字は大切な
【解説】
秋の七草は萩、尾花、葛、撫子、女郎花、藤袴、朝顔(代わりに桔梗)です。
初秋、蛍の命は夏で尽きてしまうのが普通であるが時には秋まで残っていて淡い光を放っている。軒下の秋草の中から聞こえるのは松虫の鳴き声であるが、その鳴く声は恋しい人を「待つ」ように聴こえる、というのが君を待つ虫鳴く音に細る。
初秋の夜、秋草に残っている蛍の淡いひかりを見、松虫のすだく音を耳にしながら、恋心に悩む情景を唄ったしっとりとした江戸小唄である。(江戸小唄 木村菊太郎著より)