東京小唄・清元・三味線教室

人情噺文七元結

投稿日:2020年2月25日

KIMG1036.JPG KIMG1034.JPG KIMG1048.JPG KIMG1056.JPG

久しぶりの歌舞伎座。
出囃子がよく見える花道側の桟敷席が取れたので、お茶をいただきながら、間近でのんびりゆったり観劇できました。

お目当ての演目は『人情噺文七元結』
幕末から明治にかけて活躍した落語家・三遊亭圓朝が創作口演し、三遊亭の大ネタとして志ん生、志ん朝も得意とした落語で、人情噺の最高傑作と言われる『文七元結』の歌舞伎版です。
元結(もっとい)とは、髷(まげ)の根を結い重ねる紐のことで、文七元結は江戸で有名な元結屋の桜井文七という人物により江戸中期に考案された実在する元結です。代々「文七」が襲名されていたため圓朝がモデルにしたと伝わっています。
平成19年に中村勘三郎が演じた長兵衛は人間味あふれる息遣いが感じられましたが、今回の尾上菊五郎は江戸っ子の気っ風のよさが光りました。
本所達磨横町の裏長屋に住む左官の長兵衛、腕は立つし人もいいが、困ったことに大の博打好き、仕事もせずに借金を抱えている。見かねた娘のお久は、長兵衛の借金返済のため吉原に身を売る決意をする。事情を察した妓楼の女房・お駒は、長兵衛を諭し、五十両の金を貸し与える。娘の想いとお駒の情けに心を入れ替えることを誓う長兵衛だが、その帰り道、吾妻橋にさしかかったところで身投げしようとしている若者・文七と出会うと・・・。
噺の随所に江戸っ子の心意気が感じられる、笑いあり涙ありの心温まる世話物の傑作です。

中島千波さんの緞帳も素敵でした。
mak

 |