東京小唄・清元・三味線教室

小唄「年の瀬や」

投稿日:2011年12月1日

【歌詞】
年の瀬や年の瀬や 水の流れと人の身は 留めて止まらぬ色の道
浮世の塵の捨てどころ 頭巾羽織も打ち込んで 肌さえ寒き竹売りの
明日待たるる宝船
【解説】
明治後期に作られた歌沢系の芝居小唄で、明治33年の「高名忠臣蔵」上演の時、寅右衛門によって作曲されたものだろう。
 赤穂浪士討入の当日、両国橋で室井其角が、大高源吾の零落した笹売り姿を見かけ「年の瀬や水の流れと人の身は」と発句で問いかけると源吾はすかさず「明日待たるるその宝船」と唄い別れる。折から吉良邸より聞こえる陣太鼓の音はこれぞ赤穂浪士の討ち入りだった。「留めて止まらぬ~捨て所」は、源吾が故郷の母に遺言の手紙を書き送り、この世の全ての義理を捨てて主君のために殉ぜんとする武士の意地を唄ったもの。「肌さえ寒き」に一中節を取り入れ、年の侘しさ、慌ただしさと、来るべき年への望みなどをよく表現している。(小唄鑑賞 木村菊太郎著より)
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☆いよいよ12月になってしまいました。本当に一年早かったです。今年も、わかっているけど見てしまう忠臣蔵で年の瀬を迎えることでしょう。
玄関の南天も、今年もまた、たわわに赤い実をつけてくれました。変わらぬ年の瀬を迎えられることが、どんなに幸せかを学んだ年でもあります。来年もどうぞ難を逃して下さい☆

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