投稿日:2012年4月21日
【歌詞】
幾ふしの木小屋の内のむしあつき まだもる雨のあとぬれて
しめるむしろを女夫ござ ひきよせられて手をかりの
枕近くに蚊のむれる はらうよしなきうすものの
裾の模様の乱れ草 戸のすきのぞくお月様
【解説】 岡野知十作詞 吉田草紙庵作曲
「浦漕ぐ舟」と同じく「子猿七之助」の狂言の唄で、七之助が奥女中滝川を、木小屋の中につれこんで手ごめにする場面の唄ですが、なにしてもきわどい場面ですから、東京劇場で先代守田勘弥が演じたときは、ただ木小屋の入口をみせただけでしたが、むかしはもじ張りで木小屋の内部をみせたというのですから驚きます。
「まだもる雨のあとぬれて」からがとても色気のあるよい調ががついていますが、面白いのは、「枕近くに蚊のむれる」の合の手で、これは清元の「六玉川」につかってある虫の音をきかせた手だそうですが、いかにも蚊のむれるような感じがします。よく
活用したものです。「戸のすきいのぞくお月様)文句もよいが、手もよくついています。(「草紙庵の小唄解説集」より)
☆こんな色っぽい曲を5月5日「せい吉会」で唄います。他に喜裕美会からとよ裕美鶴様が出演致します。是非、応援よろしくお願い致します。女優の名取裕子さんもご出演されます☆