東京小唄・清元・三味線教室

三人吉三巴白浪

投稿日:2021年5月28日

KIMG1863.JPG KIMG1874.JPG KIMG1884.JPG

大河ドラマ『青天を衝け』では孝明天皇役で出演し、今売り出し中の尾上右近(清元栄寿太夫)が、歌舞伎座で初めての大役、お嬢吉三の初役を勤めるということで、千秋楽に観劇してきました。
緊急事態宣言中ですが、歌舞伎座は新型コロナウィルス感染症対策が徹底されていて、桟敷席は一人二席で快適でした。

「三人吉三巴白浪(大川端庚申塚の場)」(河竹黙阿弥作)

安政七年(1860年)初演、世話物の名作で、きっぷのよさ、いさぎよさ、契りなど江戸っ子の大好きな要素が満載で、昔から横綱級の人気がある演目です。
小唄にもなっている、お嬢吉三が大川の杭に片足をかけて言う名台詞、「厄払い」と呼ばれる有名な七五調のリズミカルなつらねの名調子でも知られています。

節分の夜、同じ吉三の名をもつ三人の白浪(盗賊)が出会い、義兄弟の血盃を交わす。
振袖姿のお嬢吉三(尾上右近)、浪人のお坊吉三(中村隼人)、僧侶崩れの和尚吉三(坂東巳之助)
数奇な運命に導かれ翻弄されながらも、がむしゃらに命を賭して生きる三人。
名刀「庚申丸」と「金百両」が様々な手を巡りもたらす悲劇の連鎖…

月も朧に(吉三節分)
昭和五年吉田草紙庵作曲

月も朧に白魚の
かがりもかすむ春の夜に
冷たい風もほろ酔いの
心持ちよくうかうかと
浮かれ烏のただ一羽
塒へ帰る川端で
竿の雫か濡れ手で粟
『御厄払いましょう厄落とし』
ウムほんに今夜は節分か
こいつぁ春から縁起がいいわえ

解説は師匠の小唄選曲集
第六集12~14頁参照
mak

 |