秋のホタル

先月、「奥高尾 案内川のほとり、竹林を抜けるそよ風にのり、まるで笛の調べに合わせるかのように乱舞するホタル。この夏は当店で会席料理を味わい、夢の一夜をお過ごしください。・・・」の文句に誘われて、喜裕美会ゆかた会で二次会・三次会と梯子し前日は夜中に帰宅したことも忘れ、家族でホタル観賞に行ってきました。
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夏のイラスト当日は、「月明かりがなく、雨上がりで、湿度が高く、風がない」等の条件が揃い絶好の「ホタル観賞日和」で、私達の個室の庭にはホタル達が竹林の周りを舞ってくれました。1週前の土日は大雨で一匹も顔を出さなかったそうです。
今回顔を見せてくれた良い子達は、日本ではゲンジボタルがホタルの代表であるかのように考えられますが、ゲンジボタルより小さいヘイケボタルでした。
仲居さん曰く、「蛍の光はオスとメスが出会うための合図。メスの弱い光に対してオスが強い光を放ち、プロポーズしている。」とのことでした。
さて、ホタルを唄う小唄は、「オランダ坂の夜の雨・・・」で始まる江戸前の粋な「ほたる茶屋」を始め、夏の夜初心な小娘の想いを唄った「土手に飛交う」、或いは恋心に悩む情景をしっとりと唄った江戸小唄の「秋の七草」等幾つかの作品があります。
特に「秋の七草」について、喜裕美師匠のブログ(2010年10月4日)で、ホタルの命は夏で尽きてしまうのが普通であるが、時には秋まで残っていて淡い光を放つため、稲田の露と見間違えることがあることがある。この作品はそんな情景を唄っていると解説されております。
また、今回鑑賞したホタルは、ゲンジボタルより一か月程遅くまで生息するヘイケホタルですので、小唄「秋の七草」に登場するホタルはきっとヘイケボタルですね。
ホタルを手で触るのはタブーと言われておりますが、仲居さんが持ってきてくれたヘイケボタルを手の平に乗せ、「これからは秋に向かう季節、君達が命を無くす前に『秋の七草』の稽古に入るからね」とホタルに約束した私でした。
☆次は油屋さんお願いします!