「春日会演奏会」参加演目決まりました☆

秋は、小唄演奏会のシーズンです。
私ども喜裕美会が所属する春日会でも、「男性小唄会(10/28)」および「慈善会(11/26)」が三越劇場にて開催されます。
喜裕美会からは、男性小唄会3番そして慈善会7番の出演申込みを行っていますので、ぜひ応援の程よろしくお願い申し上げます。
さて、喜裕美師匠は平成17年の見台開き以来、その基盤をこれまで盤石に築き上げて来られました。我々門弟一同も師匠のご指導の下、新しい風を受けながら楽しく精進してまいりました。
その結果、「師匠は昨年春日会役員(評議員)に就任された」、「今年4月開催した第6回喜裕美会は大盛況のうちに終了した」、「各演奏会への申込数を増大させた」等々、喜裕美会は春日会の中でも強豪会派の一つとして注目されるようになってきました。
そのため、春日会演奏会に出演する際には、目に見えぬプレッシャーが掛かってきているのは事実であります。
そんな中、私ヨッシーは、男性小唄会は「今日一日」を、慈善会は「つくだ(月・雪)」を演目と決定し、出演いたします。
「今日一日」は以前挑戦した曲なので少しは安心ですが、「つくだ(月・雪)」は初挑戦曲であり、しかも春日会流祖の春日とよ師が作曲した作品なので、心して取り組むこととしました。
文献によりますと、「春日とよは、支那事変の戦勝を記念して作られた勝鬨橋の『完成記念小唄』として佃あたりの雪月花を読み込んで、昭和15年に『つくだ(月)』及びその替唄として『つくだ(雪)』を作り上げた。月および雪の歌詞はあるが花の歌詞がないので、終戦後の昭和20年代に小林栄が『つくだ(月)』の替唄として『つくだ(花)』を作詞して加えた。また、春日とよは、前弾きと送りに佃の手を入れて派手に作曲した。」と書かれておりました。
次に、小唄「つくだ」を紹介します。
〇「つくだ(月・雪)」 作詞者不詳・春日とよ曲(昭和15年作)
月がてるてる 十五夜御月様 松の葉越しの月が照る いきな音じめの爪弾きは すいた同志のさしむかい 忍び逢う夜のも
やい舟。
雪がちらちらちらちら雪が 帰えすあしたにちらちらと 積る思いの胸の内 いつしかとけてうっとりと 逢瀬うれしき今朝の雪。
〇「つくだ(花)」 小林栄作詞・春日とよ曲(昭和20年代作)
花がちるちるちるちる花が 歌仙桜の花が散る 永代かけて変らじと 浮名辰巳の吹く風に 散るも嬉しい二軒茶屋。
今回、流祖の自伝書(渥美清太郎「春日とよ」)を久しぶりに開き、昔貼った付箋紙ページの「小唄の特色は、どこまでも三味線本位で、唄はこれに引きずられてゆくのです。が、そうかといって三味線のおつき合いではありません。うまく三味線の間を縫って渋い節をきかせてゆくのです。いわば三味線と唄が仲よく喧嘩をしてゆくのです。それには節にいろいろ技巧が施されます。まことに皮肉で、他の音曲にはこういう演奏法はめったにないと思います。」を読み返しました。
結局、流祖の教えは、「つやと張りのある渋い唄い方」で、いきにしていきがらず、陽気に楽しく、三味線と喧嘩しながら唄いなさい、とのことみたいですネ。
私も、この教えを基本に喜裕美師匠にお稽古を付けて頂き、「春日会慈善会」に臨もうと思っておりますので、ぜひ応援の程よろしく。

☆次はリョーコさんお願いします☆

関西茶会旅行

 

 

今日は、ヨッシーです。

この度、茶道を体験する機会を得ました。表千家教授である叔父は、大阪にて「茶道教室」を開いております。また叔母は東京に出向き、女房および数人に稽古を付けております。その叔母が病気し、東京での稽古が滞ったため、お見舞いを兼ねて弟子たちが大阪に出向き、宗匠(叔父)にお点前を披露し指導頂く茶会を開催することとなったのであります。

姉は、中等部より茶道部に在籍し友達数人と自宅にてお茶を習っておりました。自宅開催の茶会には、小学生だった私をお客として強制的に参加させておりました。回を重ねてくると、私はお茶に自然と興味を持つようになってきました。その後、小唄を習い始めた昭和50年代には、お茶も習い始める機会が数回ありましたが、長時間正座が出来ないため断念してきました。

女房より、椅子使用にて茶席につく許可を頂く、合わせて、京都旅行2泊を含めるとのお誘いに乗り、関西茶会旅行に私も参加したのです。

宗匠が教えている表千家とは言うまでもなく、16世紀に「わび茶」を大成した千利休の伝統を直接受け継ぐ三千家の一つであります。利休の孫にあたる宗旦の三男、江岑宗左が本家である表千家を、四男の仙叟宗室が別家、裏千家を継ぎ、次男の一翁宗守が武者小路千家を立て、以来現在に至るまで利休の「わび茶」を伝承しています。

茶席での座る席順は、床の間に一番近い場所が上座になり、一番離れた席が末席になり、それぞれ『正客』『次客』『三客』『末客』となることは知っていたので、当日、初心者の自分は『末客』の席につこうとしたら、なつめ・茶杓などを亭主に戻す動作などもあり、初心者はそこも避けて『三客』の席につくのが理想的とのことでした。

薄茶(うすちゃ)点前と濃茶(こいちゃ)点前、最後に炭点前も行い、私も作法に則り順次お点前を頂きました。

宗匠は、茶道は抹茶を飲み楽しむ事に様々な文化が加わって発展しており、 茶室や庭など住まいに関する空間、茶道具を選んだり鑑賞したりする工芸、そしてお茶会に出てくる懐石料理や和菓子などの食、客人を気持ちよくもてなすための点前作法が融合した総合芸術であると説明された後、味覚だけでなく心と体で日本文化を感じ取って頂きたい旨話されました。

大阪での茶道体験を終え、翌日より二日間京都を満喫しました。比叡山などに色づく紅葉を見ると思い出すのは、昨年行き感激した高尾の「中尾山 宗蓮寺」にて薄茶を頂きながら見た紅葉でした。合わせて、小唄馬鹿の私の頭に浮かんだのが、江戸小唄の代表的名作「散るは浮き」でありました。この曲は、名人清元お葉によって作曲された小唄で、現在行われている江戸小唄の最初の記念すべき作品であります。

散るは浮き 散らぬは沈む紅葉葉の 影は高雄か山川の 水の流れに月の影

歌詞は雲州松江の城主で茶人である松平不昧(ふまい)公の和歌「散るは浮き散らぬは沈む紅葉葉のかげは高尾の山川の水」に、お葉が「高尾の山川の水」を「高尾か山川の水」と変え、末尾に「水の流れに月の影」と加えて小唄の歌詞としたものである。散った紅葉は清滝の渓流に浮いて流れ、枝にある紅葉は、その真紅のかげを渓流の底に映じているという意味で、浮き沈みを巧みに表現していると、書かれております。

☆次は、リョーコさんお願いします!

夏はやっぱりビールかな

小唄のお稽古を終え、気のおけない仲間と語らって谷中界隈の小料理屋になだれ込み、冷えたジョッキを傾けると、本当に生きている喜びを感じます。旨い枝豆に、から揚げ、フライドポテト、焼き肉でもあれば言うことなしです。
 また、ビールのアルコール度数は焼酎やウイスキーほど高くなく、食欲を増進させる約7度なのであります。
そのため、私どもビール大好き人間はおつまみを多く食べる傾向があり、また飲食にかける時間も長くなり、これがぽっこりビール腹の原因となっている訳です。
そんなビールを唄った小唄はあるかと探してみますと、「松の木小唄」の替歌を見つけました。
サッポロばかりがビールじゃない
アサヒもキリンもみなビール
だけど私が欲しいのは
今夜のあなたの唇(くちビール)
ご存じの通り、「ビール」という言葉は、俳句では夏の季語となっております。
そこで、小唄の曲名を入れて俳句(?)を作ってみました。
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ビール好き 痛風発作を 「恨むぞえ」
昼ビール 「男がようて」 千鳥足
大集合 「男なりゃこそ」 大ジョッキ
白糸が 「楽屋をぬけて」 ビール買う
「川風」の 涼しさ添えて ビール飲む
「今日もまた」 ぽっこり腹で 呑み明かす
ビ-ル飲み 枝豆食べし 「涼み舟」
「賑わいの」 ビヤガーデンで 酔いにけり
2日目に 「よりを戻して」 飲むビール
☆つぎはリョーコさんお願いします!

秋のホタル

先月、「奥高尾 案内川のほとり、竹林を抜けるそよ風にのり、まるで笛の調べに合わせるかのように乱舞するホタル。この夏は当店で会席料理を味わい、夢の一夜をお過ごしください。・・・」の文句に誘われて、喜裕美会ゆかた会で二次会・三次会と梯子し前日は夜中に帰宅したことも忘れ、家族でホタル観賞に行ってきました。
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夏のイラスト当日は、「月明かりがなく、雨上がりで、湿度が高く、風がない」等の条件が揃い絶好の「ホタル観賞日和」で、私達の個室の庭にはホタル達が竹林の周りを舞ってくれました。1週前の土日は大雨で一匹も顔を出さなかったそうです。
今回顔を見せてくれた良い子達は、日本ではゲンジボタルがホタルの代表であるかのように考えられますが、ゲンジボタルより小さいヘイケボタルでした。
仲居さん曰く、「蛍の光はオスとメスが出会うための合図。メスの弱い光に対してオスが強い光を放ち、プロポーズしている。」とのことでした。
さて、ホタルを唄う小唄は、「オランダ坂の夜の雨・・・」で始まる江戸前の粋な「ほたる茶屋」を始め、夏の夜初心な小娘の想いを唄った「土手に飛交う」、或いは恋心に悩む情景をしっとりと唄った江戸小唄の「秋の七草」等幾つかの作品があります。
特に「秋の七草」について、喜裕美師匠のブログ(2010年10月4日)で、ホタルの命は夏で尽きてしまうのが普通であるが、時には秋まで残っていて淡い光を放つため、稲田の露と見間違えることがあることがある。この作品はそんな情景を唄っていると解説されております。
また、今回鑑賞したホタルは、ゲンジボタルより一か月程遅くまで生息するヘイケホタルですので、小唄「秋の七草」に登場するホタルはきっとヘイケボタルですね。
ホタルを手で触るのはタブーと言われておりますが、仲居さんが持ってきてくれたヘイケボタルを手の平に乗せ、「これからは秋に向かう季節、君達が命を無くす前に『秋の七草』の稽古に入るからね」とホタルに約束した私でした。
☆次は油屋さんお願いします!

たかが小唄されど小唄

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喜裕美会ブログにて紹介されております通り、喜裕会と喜裕美会合同で製作する「小唄CD」が完成しました。喜裕美師匠は、「皆様の個性溢れる味わい深い小唄CD」とお上手な表現をされておりますが……。私が唄った「こころでとめて」は、自分としては決して満足できる結果ではありませんでした。同曲はかなり唄い込んできた筈なのですが、まだまだ甘いようです。たかが小唄と思いますが、いくらやっても、本当に難しいものであると今更ながら痛感しました。同時に「たかが小唄」の文句が頭に浮かびました。
「たかが小唄」河合 勇作、千紫千恵曲
たかが小唄というけれど たかが小唄はむつかしい
  前弾のすまないうちから唄い出し まだよと横目で
     にらまれる 自分の声にききほれて
 やたらにのばして叱られる 乙におとしてなぞとは僭越な
ほんとに小唄はむつかしい わかっただけでも大進歩
   はじめて師匠にほめられた。
なお、私は昭和57年からふとした動機ですすめられて小唄を習い始め、故とよ喜美師匠が毎年向島桜茶屋で開催する春季(新年会)及び秋季(浴衣会)に向けて稽古に励み、平成5年4月に名取状を頂き、同年9月に三越劇場にて開催の「春日男性名取会」に出演(演目;こころでとめて)しました。
☆次は山屋様お願い致します。

初登場のヨッシーです

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新派名作撰、泉鏡花の生誕140年と銘打ち公演中の「婦系図」(三越劇場)を観てきました。
新派の代表作としてあまりにも有名で、私も幾度か観劇しておりますが、今回は、スーパー歌舞伎の三人(春猿、月乃助、笑三郎)が出演し、新派に新たに伊吹を吹き込むという話題作であることと、この9月より喜裕美師匠に小唄だけでなく清元も稽古をつけて頂いているので、今までとは違った観かたができるのではないかと思い、観劇することにしました。
幕開きには、小唄(「逢い見ての」)が流れ、芸者(綱次)が登場し、舞台が進行していきました。この舞台で上演された小唄4曲のうち、この曲およびその後に唄われた「とめてもかえる」は、既に習った曲ですので、思わず小唄の文句を口ずさんでしまいました。
二幕目はいよいよ「湯島境内」の場、「切れる分かれる・・・」の名せりふ、お蔦と主税の乱れる心が、おりからきこえる清元の詞章と相まって大きく揺れ動く様がみごとに描きだされました。涙腺の弱い私は、今回もまた号泣してしまいました。
翌日、早速、春日小唄集を開き、小唄「湯島境内」の文句を一読しました。
梅樹の下の主税とお蔦のことを想起しつ、また冴えた音〆の清元が・・・といった舞台を連想して唄えるように早くなりたいものです。
次は「山屋」様、宜しくお願いします。