東京小唄・清元・三味線教室

助六曲輪初花桜

投稿日:2018年10月5日

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闇の夜に
吉原ばかり
月夜かな

春日会の伝統文化講座でもお馴染みの古典芸能解説者・葛西聖司アナウンサーに『助六』の見所をNHK文化センターの歌舞伎講座で聴いた後、歌舞伎座で『助六曲輪初花桜』を観賞してきました。
十月の大歌舞伎は十八世中村勘三郎七回忌追善公演ということから、すべて勘三郎に所縁がある演目で、夜の部ラストは粋で華やかな江戸歌舞伎を代表する歌舞伎十八番の名作『助六』です。
助六は襲名披露、開場記念などでかかるスペシャルな演目であることもあり、勘三郎がやりたかったが叶わなかった役だそうです。
助六を由縁江戸桜という外題で河東節で上演するのは成田屋だけで、今回は松嶋屋なので出端の唄は長唄で外題は曲輪初花桜となっております。
ちなみに大和屋は常磐津で桜二重帯、音羽屋は清元で曲輪菊です。
花川戸助六が二十年ぶりに仁左衛門襲名以来初めて最高齢で演じる片岡仁左衛門、兄の白酒売新兵衛が中村勘九郎、吉原の花魁の三浦屋揚巻が七之助、白玉が児太郎、二人を指導した坂東玉三郎が初めて母の満江(まんこう)を演じています。
ちなみに児太郎は十二月公演で、今は玉三郎しかできないと言われる女方屈指の難役で、琴、三味線、胡弓の三曲を自ら舞台で演じる『阿古屋』にチャレンジするそうです。
豪華共演者に見守られて
勘三郎亡き後、勘九郎、七之助が立派に跡を継いでくれています。
mak

花の雲

昭和十一年
川上渓介詞
宮川吟柳曲

花の雲
鐘は上野か浅草か
ゆかりの色の鉢巻も
江戸紫や伊達姿
堤八丁衣紋坂
大門くぐる助六に
煙管の雨が降るように

(助六の解説は師匠の小唄選曲集第四集18~26頁に詳しく書かれていますので参照してください)

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