東京小唄・清元・三味線教室

朧夜に (十六夜清心)

投稿日:2013年9月26日

【歌詞】
朧夜に星影淡く消えのこる 鐘の響きも隅田川
弥陀を誓いし清心が 如鱗を数珠に百八つ
「この世で添われぬ二人が悪縁」 死のうと覚悟極めし上は
「少しも早う」実にうたてなき 恋菩提 浮名流して水しぶき
 
【解説】
 浦上紀庵作・草紙庵曲
歌舞伎「十六夜清心」の芝居より、場所は隅田川、両国の百本杭,女犯で追放された美僧清心と、遊女、十六夜が、朧月夜の川端に展開する色模様の美しい情緒は頽廃した幕末の世相を遺憾なく現わしており、小唄「朧夜に」は「朧夜に星の影さえ二つ三つ、四つか五つか鐘の音も」で始まる清元十六夜の、聞かせ所を採っており、詩章自体すらすらと出来ていて、あとは作曲者草紙庵の、清元から出て清元でない節づけを楽しむところである。

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