五月雨や竹屋の渡し上げ花火 灯籠流しに都鳥 言問い団子に桜餅 ちょっとみやげに買わしゃんせ 土手の桜の色もよく 虫の音すだく百花園 水神の逢う瀬嬉しき夕映えや 小唄で偲ぶ名所を 昔ながらの可水は 隅田 […]
都鳥 流れにつづく灯篭の よるよる風の涼み舟 波の綾瀬の水清く 心隅田の楫枕 【解説】 初代清元菊寿太夫曲 明治十一年七月に行われた「隅田川の流燈会」を唄った江戸小唄である。維新前まで行われた七月の盂 […]
又の御見を楽しみに 帰した後でふうわりと 鶏が鳴く 君はいま駒形あたり何となく 昔も今も変わらじと 人の情けと恋の道 【解説】 明治中期に作られた江戸小唄である。吉原の遊女の真心を唄ったもので「又の御 […]
【歌詞】 水指の二言三言言いつのり 茶杓にあらぬ癇癪の わけ白玉の投げ入れも 思わせぶりな春雨に 茶巾しぼりの濡れ衣の口舌もいつか炭手前主をかこいの四畳半 嬉しい首尾じゃないかいな 【解説】 「水差」 […]
待ちわびて 寝るともなしに まどろみし 枕に通う かねごとも 夢か現(うつつ)か現か夢か さめて涙の袖たもと あれ村雨が降るわいな 【解説】 河竹黙阿弥詩、六世富本豊前椽曲 「お浦新三」の芝居に使われ […]
【歌詞】 浅草の 昔なつかし十二階 江川の玉乗り珍世界 活動写真は電気館 瓢箪(ひょうたん)池には亀や鯉 山雀芸当花屋敷 ダークの操り 安本亀八生人形 観音様の奥山は 早取写真に 売ト者 軒を並べて […]
節が過ぎたと 人みなされば 秋は淋しい浅間の麓 あとに織りなす紅葉の錦 錦 誰(た)が見る 月が見る 【解説】 土井晩翠詩・春日とよ詩 九月の避暑の時季が過ぎて客は殆ど帰って、あとは織りなす紅葉の世界 […]
満月や 葉越し柳の涼風に 吹かれて歩む二人連れ 磯浜近く打ち寄する 女波男波の音ならで 沖の鴎はヨー 大漁知らす 沖に櫓拍子浜の唄 【解説】 初代平岡吟舟詩・曲 東明流「四季短歌」の中の組曲の「春」「 […]
一日逢わねば千日の 思いも積もる春の夜の 静かに更けて冴え返る 寒さをかこう袖屏風 入谷の寮の睦言も 淡き灯影に波打たす 隙間をもるる 雪下ろし 【解説】 市川三升作・草紙庵曲 清元「三千歳( […]
水の出花と二人が仲はせかれ逢われぬ身の因果 たとえどなたの意見でも思い思い切る気はさらにない
【歌詞】 水の出花と二人が仲はせかれ逢われぬ身の因果 たとえどなたの意見でも思い思い切る気はさらにない 【解説】 水の出る途端が、丁度ほとばしり出るような恋情に よく似ていることをたとえたもので、若い […]
【歌詞】 虫の音をとめて嬉しき庭づたい あくる紫折戸桐一葉 ええ憎らしい秋の空 月はしょんぼり雲がくれ 【解説】 作詞作曲者不明 秋の夜に、すだく虫の音をとめないようにそっと 庭づたいに忍んでゆく。紫 […]
一日逢わねば千日の思いも積もる春の夜の静かに更けて冴え返る寒さをかこう袖屏風入谷の寮の睦言も淡き灯影に波打たす隙間をもるる雪下ろし