東京小唄・清元・三味線教室

待ちわびて

投稿日:2011年11月27日

待ちわびて 寝るともなしに まどろみし
枕に通う かねごとも 夢か現(うつつ)か現か夢か
さめて涙の袖たもと あれ村雨が降るわいな
【解説】
河竹黙阿弥詩、六世富本豊前椽曲
「お浦新三」の芝居に使われている。富本「田雁」の一節(歌沢)を江戸小唄化したものである。唄の意味は、女が恋しい人を待ちわびて、何時とはなしにまどろむが、目が覚めてもその人は訪ねて来ず、ひとり涙の袖を濡らすという意味で、この江戸小唄は、歌沢調の節の長い唄いかたで、黙阿弥一流の、しっとりとした作詞と、豊前椽の渋い作曲によって、今日もよく唄われている。

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