東京小唄・清元・三味線教室

露は尾花

投稿日:2012年8月4日

【歌詞】
露は尾花と寝たという尾花は露と 寝ぬという、あれ寝たという寝ぬという、
尾花が穂に出てあらわれた 蝶は菜種と寝たという菜種は蝶と
寝ぬというあれ寝たという寝ぬという 蝶は菜種に舞い遊ぶ
月は清水と寝たという清水は月と寝ぬというあれ寝たという寝ぬという月は清水に影映す
【解説】
男性を露、女性をすすきにたとえて、二人の情事を唄ったもので、露とすすきの恋話が、嘘かほんとか、それとなく気をひいてみると、露(男)はよれを肯定するがすすき(女)は知らぬと口では云うが、その頬(穂)に思いの色がぽっと出るので隠しきれなくなってしまったというのが、唄の裏で、この小唄はそうした事の詮索より、秋の山野に、露を含んでなびく美しいすすきを唄い、また晩秋、すすきが山の尾根に房々とした尾花をつけて、咲き揃っている見事な光景を唄ったものと考えればそれで十分風情がある(江戸小唄 木村菊太郎著

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