東京小唄・清元・三味線教室

一声は月

投稿日:2010年8月2日

一声は月が啼いたかほととぎす
いつしか白む短夜にまだ寝もやらぬ手枕や
男心はむごらしい女心はそうじゃない
片時逢わねばくよくよと愚痴なようだが泣いているわいな
【解説】
安政4年(1857)5月、江戸市村座「時鳥酒杉本(ほととぎすさけはすぎもと)」上演の時作られた江戸端唄である。お梅 粂之介の心中を芝居にしたもので「一声は月が啼いたか時鳥」は「さてはあの月が啼いたか時鳥(一三子)」の名句から採ったもの。「まだ寝もやらぬ手枕や」は地唄「沖の石」の一節にあり「男心は~泣いているわな」は、河東節の「濡扇(ぬれおおぎ)」から採ったものでここがこの唄のヤマとなっている。(江戸小唄 木村菊太郎著より)清元「流星」に「一声は月が啼いたか時鳥・・・」の一節が採り入れられている。

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