投稿日:2011年8月19日
【歌詞】
軒花に網を描いた提灯の 縁も深い 宮戸川
三社祭に風かおる町の名誇る半纏の 勢いを見せた宮出しや
一の宮から三の宮荒れた神輿のその中に 幼馴染みのあの人の腕にちらりと入黒子
命と云う字が憎らしい
【解説】
小林栄詩 春日とよ稲曲
三社祭はその昔宮戸川(みやとがわ)に出漁して浅草寺の本尊観音像を網の中から迎えたという土師臣中知(はじめのおみなかとも)とその臣檜前浜成(ひのくまはまなり)・武成の主従を祀った浅草神社の例祭で、昔は3月だが明治より5月17日・18日となった。「宮出し」とは同社安置の「一の宮」「二の宮」「三の宮」と呼ばれる三基の神輿が各町内で選ばれた氏子の若者たちの手で担ぎ出され「ワッショイ、ワッショイ」の掛け声勇ましく町内を練り歩く行列である。(現在「ソイヤ、ソイヤ」の掛け声は何時から始まったものであろうか)小唄は手古舞姿の芸者の一人が祭半纏に神輿を担ぐ勇み肌の、幼馴染の腕に「○○命」の情人の名を小さく入れ墨した「入れぼくろ」を見てちょっと嫉妬する所で、氏子の小林栄が沸き立つような浅草の賑わいをいなせに描いたものである。