東京小唄・清元・三味線教室

雲に懸橋

投稿日:2012年9月29日

雲に懸橋 霞に千鳥 及びないとて惚れまいものか
惚れりゃ夜も日もないわいな いっそ頓馬になったそうな
ああそうじゃいな
【解説】
天明4年(1784年)3月大阪藤川座「隅田川続俤(すみだがわごにちのおもかげ)」で四世市川団蔵始めての「法界坊」が乞食坊主の身で、質屋永楽屋の一人娘お組を見初めて、「雲に架け橋霞に千鳥、及びないとて惚れたが因果にて御座候」という付文を袂に入れる件がある。当時この上方端唄が相当流行したことが察せられる。この地唄は、幕末に現在のように歌詞をかえて江戸端唄となり、、それが江戸小唄化されて、今日に及んでいる。
 「雲に懸橋霞に千鳥」は、雲に橋がかけられず、霞は春、千鳥は冬と季の違うもので、何れも「及びない」の枕詞で、それを及ばぬ恋にかけたものである。( 江戸小唄  木村菊太郎著より)

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