昨日は歌舞伎座におりました。師匠はじめ先輩方と一緒に、舞台間近のすごい席で観ることができました。師匠ありがとうございました。
舞台いっぱいの密貿易船や爆竹(雷が落ちるようす)など、ハッとさせる仕掛けにドキドキでした。
団十郎演じる長崎生まれの密貿易船の親分(「恋湊博多諷」)の衣装が素晴らしく、マドラスチェックの丹前や、深いグリーンのビロード地の羽織と着物の揃い、またインドネシアの更砂など、形はみんな着物でも生地が無国籍で遊んでて、うっとりでした。
若草ライブ
芸大リサイタル
今日は師匠が「保名」の三味線で出演されました。芸大大学院修士1年リサイタル「春によせて」です。舞台では鼓も加わり、華やかでした。
「保名」は、恋人の自殺によって気が狂った陰陽師・安倍保名(美男子という設定)が、彼女の小袖を抱え春の野で踊るという筋に、後半は江戸吉原での恋の模様を混ぜた、歌詞も切ない美しい曲です。
映画では、大川橋蔵・嵯峨三智子のコンビの「恋や恋なすな恋」で、大川橋蔵が保名を踊るシーンがあります。1962年制作という時代のせいなのか、サイケデリックな画面の中で踊り狂います。確か新宿TSUTAYAでビデオが借りられたはず。
舞台の後は、師匠、先輩方と根岸・香味屋さんに。美味しくて、雰囲気の素敵な洋食屋さんでした。
芝明神清元会
浜松町駅からほど近い芝大神宮に、師匠や先輩方と一緒に第一回芝明神清元会に参りました。
歌舞伎解説の小山観翁さんの解説もあり、とても素敵な会でした。嬉しかったのは、清元の歌詞と解説付きのパンフレットが用意されていたこと!これが聴くときにすごく役に立ちました。
お富さんとばったり
三越劇場(いしい)
大阪で歌舞伎
歌舞伎にはかっこいい悪人が主人公になる演目がいくつかあります。
鶴屋南北作、片岡仁左衛門主演「霊験亀山鉾(れいげんかめやまほこ)」もその一つ。大阪でかかるときき、名古屋でお稽古されていた師匠と合流し、大阪・松竹座に行きました。
鶴屋南北は「東海道四谷怪談」「桜姫東文章」など、人気演目を世に出した江戸時代の歌舞伎狂言の作者です。悪と善、美と醜など、異なる価値観や世界を「ない交ぜ」にした物語が魅力と言われています。
一方、仁左衛門は、南北の世界に住む悪い男たちが当たり役で、すごくすごくかっこいい、のです。
「霊験亀山鉾」は、仇討ち成功まで29年かかった実話を元に作られました。その敵役が仁左衛門。の冷血漢でずる賢いド悪人なのですが、なぜか魅力的で(鼻筋通ったいい男という設定あり)、むしろ仇討ちする側がかわいそうだけど間抜けに見えるほど。
舞台では本当に雨を降らせ、役者さんがずぶ濡れで立ち回ったり、燃え盛る棺桶を蹴破って主人公が登場するなど、設定にも演出にもグッとシビれました。
写真は道頓堀のお好み焼き屋「おかる」のスペシャル(全部入り)です。すごくおいしい。焼いている最中は蓋をして蒸すせいか中身はふわとろ。焼き上がるとお店の人がマヨネーズでドラえもんを書いてくれました。
浅草歌舞伎(いしい)
浅草酉の市(いしい)
昨日は二の酉。会社帰りに師匠と先輩方と一緒に、大にぎわいの浅草酉の市に行ってきました。
キラキラした熊手をみていたら、私もちょっと欲しくなりました。でも「商売繁盛」はあんまり関係ないしな、と思っていたところに「恋愛成就」の4文字が。これはいいと師匠に話したら、「うーん、買って3本締めされるってのがね」とのお言葉。確かに、あのいかついお兄さんたちにシャンシャンされたくない。成就は諦めました。
そんな気持ちを察してくださったのか、師匠がかっこめ熊手を買ってくれました。ありがとうございます。これでなんとかしよう。
お二人ともとってもかわいい七福神とお多福さんの熊手をゲットされていました。ご覧になりたい方は谷中お稽古場と浅草名物居酒屋「はる」まで。
写真は、おそらく神社の巨大熊手の真ん中に鎮座するはずのお多福さんです。縦は小学生低学年くらいのでかさ。おめでたいもののはずですが、ちょっと結構怖いです。
名古屋おさらい会(いしい)
11月2日、名古屋喜裕美会のおさらい会に東京の先輩方と参加しました。
当日は、自分の草履を脱いで舞台に足を置いた瞬間から異常に緊張してしまい、私は誰?ここはどこ?状態に。恐怖と緊張のなか、ようやく最後の三味線の音にたどり着き、逃げるように舞台を降りました。まったく情けないことです。
名古屋の皆さまは、東京の会同様に親切でパワフル。おかげで失態にめげることなく楽しく会に参加できました。ありがとうございました。
二次会はさらにヒートアップ!ナゴヤ・ナイトは熱く更けていきました。
翌日は師匠と東京の皆さまと一緒に、明治時代にタイから贈られた仏像や、庭と茶室が素敵な古川為三郎記念館などを訪ねました。風雅な観光にも心が揺れましたが、しかし、最も旅の気持ちになったのは、コメダ珈琲でモーニングを食べていた時かも。飛び交う名古屋弁と名物の白ノワール―大量のアイスクリームにメイプルシロップかけた甘いパン―気取らなくて、なんだか心の隙間に染みる味でした。心残りは小倉あんのせトーストを食べなかったことでございます。
写真はまったく関係ありませんが、名古屋駅の向かいにある昭和テイストな「大名古屋ビルヂング」です。かつての日活アクション映画の舞台のようなかっこよさでした。ちなみにこのビルのビアガーデンの名前はマイアミ! しびれました。
温泉にエスケープ(いしい)
藝祭「邦月の会」(いしい)
9月7日、東京芸大の学園祭で開催。師匠が清元「六玉川」(むたまがわ)で三味線の助演をされるとのことで伺いました。お琴も交えた、美しい曲でした。皆さんお揃いの黒の紋付きで、ジャパニーズ・クールビューティーな出で立ちが素敵です(しまった写真忘れた!)。
しかし、なぜかその後の飲み会の写真はしっかり撮ってるあたりトホホとしかいえません。
今日の豆知識
六玉川って何? とGoogleしたところ、和歌に詠まれる全国6つの玉川のことで、地域ごとに風物が決まっているそう。清元の歌詞には、それぞれの玉川にちなんだ和歌の言葉が配されていたのでした。「千鳥鳴く」は野田(宮城)の玉川、「山吹と蛙」は井出(京都)などなど。
亀治郎の会(いしい)
今日は師匠と一緒に、大好きな市川亀治郎さんの自主公演「第6回亀治郎の会」を見ました。
今回の演目は一幕目「平家女護島 俊寛」、二幕目「京鹿子娘道成寺」。
一幕目は夏風邪の咳を我慢したらもっとひどい咳が止まらなくなり、話のキモがつかみきれないまま、俊寛が慟哭しながら遠ざかる船を見送るというラストを迎えました。最低だ・・・。
二幕目は咳も治まり、美しい舞りを堪能しました。踊るという行為は、神の化身、あるいは神を模したものであると評されることが多いですが、鐘を凝視するが恐らくなんにもみてない白拍子花子は、人であってそうでない、先の評のようでした。もちろんその役柄のせいもあるのでしょうが。生身の女の表情と動きで踊るのですが、そばに寄るとなんだか遠くにいっちゃうような、夜にみる盛りの桜のようでした。
亀治郎さんについては、彼のオフィシャルホームページ、あるいは「カメ流」というエッセイ集をご参照ください。いろいろ度肝抜かれることうけ合いです。
このあと師匠と会場の国立劇場そばのホテルで食事しました。明太子とチーズに海苔とシソをトッピングした和風ピザは、クセになる美味しさでした。
浅草観光
こんにちは。今年の2月から師匠のもとでお世話になっている石井美香と申します。
浅草に徒歩圏内の蔵前に、二月ほど前に越して来ました。
隅田川がすぐそばで、歩いていると水の匂いがしてきます。草はかつての日本一華やかだった盛り場の名残のためか、歩いているとお祭りに紛れこんだみたいで、テンションがあがってきます。またなんといっても美味しい食べもの屋さんと喫茶店が多いところです。
まだ観光客気分が抜けず、雷門から浅草寺参り、花やしきを横目に歩いて、梅むらで豆かん食べ、帰りは藪で蕎麦と日本酒、隅田川で夕涼みという、コテコテの観光コースが楽しいです。近所になったこともあり、浅草のお稽古場に通うことが多くなりました。またお稽古場、いいところにあるんですよ。
話変わって、谷中もそうですが、浅草も猫が多いところです。猫好きにはたまりません。しかもみな顔が似ています。写真はうちの猫です。前に住んでた近くの動物病院で飼い主募集してたのをもらってきました。
梅雨があけたら短い夏です。あっという間に去っていく季節。皆様ご自愛ください。