東京小唄・清元・三味線教室

筆のかさ

投稿日:2011年7月29日

【歌詞】
筆のかさ 炊いて待つ夜の 蚊遣火に さっと吹きしむ 涼風が
磯打つ汐の粋な夜に 女波男波の夫婦仲
寝つかれぬ夜はなお 恋しさに寝かさぬ時を 思いやる
【解説】
三世清元斎兵衛曲
江戸時代は文字を筆で書いたため、筆の笠(かさ)がたまるのでこれを蜜柑の干したものと一緒に蚊いぶしに炊いた。真夏の海辺の家で、女が筆のかさを蚊遣火に炊いて男を待つが、もう夜は更けたというのに、待つ男は現れない。女は女波男波の打ち寄せる音をききながら、寝付かれぬままに、かつて、男と逢った夜を思いやる。

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