東京小唄・清元・三味線教室

八重一重

投稿日:2020年4月10日

【歌詞】
山もおぼろに薄化粧
娘盛りはよい桜花
嵐に散らで主さんに
逢うてなまなかあと悔やむ
恥ずかしいではないかいな

【解説】
江戸時代以来の古い唄。この唄は、春日とよが愛した村幸(「つれなくされし」の作曲者ではないかとも言われている)の愛唱歌だったそうだ。唄の前半は、嵐に散らで…以下の枕言葉の様なものである。せっかく恋しい彼に逢ったのに、気恥ずかしくて中途半端で別れてしまって逢わなければこんな苦労も無かったものをとかえって後悔している様子は初々しくて大変良いが、これに続けて最後に恥ずかしいではないかいなと何の気どりもなく大胆に言い切っているのが素晴らしい。

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