東京小唄・清元・三味線教室

吉三節分

投稿日:2016年1月31日

【歌詞】
月も朧に白魚のかがりも
かすむ春の夜に冷たい風もほろ酔いの心持ちよくうかうかとうかれ烏のただ一羽塒へ帰る
川端で棹の雫か濡れてで粟
「御厄はらいましょう厄落とし」
ウムほんに今夜は節分か
コイツア春から縁起がいいわえ
【解説】
田島断、岡野知十作詞、草紙庵作曲
安政七年(一八六〇年)初演の河竹黙阿弥作「三人吉三廓初買」の大川端庚申塚の場。おとせという夜鷹が、集金した百両の金を忘れていった男へ渡そうと追いかけていると、そのあとをつけてきたお嬢吉三が道を聞くふりをして、百両の金を奪い、大川端へ蹴落として殺してしまう。
 朧月夜を背景に「月も朧に白魚の・・・こいつあ春から縁起がいいわえ」というふてぶてしいセリフ「厄払い」と呼ばれる有名な七五調の名調子を小唄のしたもの。

 |