投稿日:2012年6月23日
うからうからと 月日たつのに なしのつぶての沙汰なしは やみじゃやみじゃと 待つうちに お月様ちょいと出て 南無三ぼうそばやさん 何時じゃ引けじゃえ 【解説】 「うからうから」は「うかうか」の意。「梨の礫」は「音沙汰なし」。ひけで初めて遊女が店から下って店の大戸を下ろす。享保年間の「金砂子」に「惚れ薬梨もつぶてもなかりけり」「二十日すぎ梨も礫もありんせん」の川柳がある、客への無心をした遊女の苦しい月末が面白く詠まれている。 (小唄控 木村荘八監修)
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