投稿日:2011年4月22日
【歌詞】有明の油ももとは菜種なり 蝶が焦がれて逢いに来る
昔思えば深い仲 笑われる気で来たわいな
【解説】明治30年頃に流行した俗曲の有明節「有明のともす油は菜種なり 蝶が焦がれて 逢いに来るもとをただせば深い仲 死ぬる覚悟で逢いに来た」を江戸小唄化したもの。有明は「有明行灯(夜明けまでつけておく行灯)のことで、その油は菜の花から出来た菜種をしぼった油なので、その昔恋しい香りを慕って蝶が逢いに来る。蝶と菜の花とは、若い頃の恋人だったのである。しめやかな六下がり調で嫌みのない手附けで明治期のよい江戸小唄のひとつである(小唄鑑賞 木村菊太郎著より)