東京小唄・清元・三味線教室

向島名所

投稿日:2018年5月3日

五月雨や竹屋の渡し上げ花火
灯籠流しに都鳥
言問い団子に桜餅
ちょっとみやげに買わしゃんせ
土手の桜の色もよく
虫の音すだく百花園
水神の逢う瀬嬉しき夕映えや
小唄で偲ぶ名所を
昔ながらの可水は
隅田八橋くぐり流るる

【解説】
文字通り向島の名所を唄っている
竹屋の渡し=山野堀りと向島三囲神社を結んでいた。「竹屋」の名は付近にあった茶屋の名に由来するという。昭和八年の言問橋架橋前後に廃止された。

上げ花火=徳川吉宗が大飢饉とコレラ流行による死者の霊を諫めるために享保十八年に大川端で花火を打ち上げたのが隅田川の花火の始まり。

言問い団子=江戸時代に向島で植木屋を営んでいた外山佐吉が団子やを始めたが明治になり在原業平の故事に因んで「言問い団子」と名付けた。

桜餅=享保二年、向島の長命寺で門番をしていた山本新六が考案し門前で売り出したものとされ「長命寺桜餅」とも言う。

土手の桜=将軍家光が上野寛永寺と共に隅田川堤に吉野の桜を植えたのが始まり。

百花園=文化二年開園。みどころは早春の梅と秋の萩である。

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