あの日から 噂も聞かず 丸三月 出合頭は不忍の 蓮もすがれた片かげり 会えてどうなるものでなし 私もこんなに痩せました 義理の枷 【解説】 小野金次郎詩・中山小十郎曲 この小唄の主人公は下谷の若い芸者 […]
夕立ちのすぎて涼しや白鷺の 片足あげて岸近く 風の前なる羽づくろい みだれみだれしよしあしの いやじゃいやじゃは裏のうら 浦こぐ船のゆれごこち 女波と男波がうち上げてはまたうちおろす 【解説】 岡野知 […]
引けは九つ なぜそれを 四つというたか吉原は 拍子木までが 嘘をつく 【解説】 久保田万太郎詩・山田正太郎曲 「引け」とは江戸時代の廓で、遊女が張見世(はりみせ)をやめて入り口の大戸(おおど)を閉 […]
一日逢わねば千日の 思いも積もる春の夜の 静かに更けて冴え返る 寒さをかこう袖屏風 入谷の寮の睦言も 淡き灯影に波打たす 隙間をもるる 雪下ろし 【解説】 市川三升作・草紙庵曲 清元「三千歳( […]
【歌詞】 空ほの暗き東雲に 木の間隠れの時鳥 鬢のほつれを掻き上げる 櫛の雫か雫が露か 濡れて嬉しき 今朝の雨 【解説】 河竹黙阿弥詩・二世清元梅吉曲 清元「雁金」の一節をそのまま採って、小唄に作曲し […]
【歌詞】 筆のかさ 炊いて待つ夜の 蚊遣火に さっと吹きしむ 涼風が 磯打つ汐の粋な夜に 女波男波の夫婦仲 寝つかれぬ夜はなお 恋しさに寝かさぬ時を 思いやる 【解説】 三世清元斎兵衛曲 江戸時代は文 […]
【歌詞】 船に船頭ささやいて 今朝の出潮に首ったけ 惚れてかよえば 千里も一里じゃえ 【解説】 芸者と船頭との色事は色町のご法度というのを やっと人目を忍んで夜更けに馴染みの芸者との逢瀬を果たして、朝 […]
【歌詞】 宮川曼魚詩 中山小十郎曲 中村市丸開曲 短夜のいつか白みてほのぼのと咲く朝顔も水浅黄 浅き契りの仇情け 永代橋と寄り添いてみそぎぞ夏は清洲橋 中洲の岸による波も思いは同じ三股の 新大橋に風 […]
【歌詞】 晴れて雲間に あれ月の影 さしこむ腕に入れぼくろ もやい枕の蚊帳のうち いつか願いも おやもし 雷さんの引合わせ 【解説】 清元の「夕立」の晴れたあとの情景を唄ったもの、清元「夕立」は河竹新 […]
【歌詞】 羽織着せかけ 行先たづね拗ねて箪笥を背中でしめ ほんにあなたは罪な人 【解説】 他の女の所へ行くのではないかと疑いながらも、用事があって出かけると言えば出してやらねばならぬ女房の、切ない気持 […]
よりを戻して逢う気はないか未練でいうのじゃなけれども 鳥も枯木に二度止まるチト逢いたいね のろいようだがあの人ばかり思い切られぬ事がある 長い馴染じゃなけれどもちょいとちょいと好きな人 【解説】 「縒 […]
水の出花と二人が仲はせかれ逢われぬ身の因果 たとえどなたの意見でも思い思い切る気はさらにない
【歌詞】 水の出花と二人が仲はせかれ逢われぬ身の因果 たとえどなたの意見でも思い思い切る気はさらにない 【解説】 水の出る途端が、丁度ほとばしり出るような恋情に よく似ていることをたとえたもので、若い […]
【歌詞】有明の油ももとは菜種なり 蝶が焦がれて逢いに来る 昔思えば深い仲 笑われる気で来たわいな 【解説】明治30年頃に流行した俗曲の有明節「有明のともす油は菜種なり 蝶が焦がれて 逢いに […]
【歌詞】 梅が香を幸い東風(こち)が誘い候 かしくと書いた土筆(つくづくし) 主に扇を重ねてそして 誰を招くか早蕨の 手ごとというもはずかしく 顔に朝日がさすわいな 【解説】 五代目菊五郎の大阪興行 […]
【歌詞】 夜桜や 浮かれ鴉がまいまいと 花の木影に誰やらがいるわいな とぼけしゃんすな 芽吹き柳が 風にもまれて ふうわり ふうわりと おおさ そうじゃいな そうじゃわいな 【解説】 文化年間の吉原の […]
【歌詞】 この先に どんな桜が咲こうとままよ 妾(わたし)やこの木で苦労する 散るも散らぬも主の胸 【解説】 初代永井ひろ詩・曲 桜の咲く季節には必ずといっていい程唄われる曲ですが「永井ひろ師がその頃 […]
【歌詞】連れてえ連れて退かんせ 妾(わし)が身を 蝦夷松前は愚かな事よ 他国住まいもままの皮 惚れた三字に 代えらりょうか 【解説】上方の女子の一途な恋心を唄った田舎唄で、この気持ちは当時の […]
【歌詞】 梅一輪 一輪づつに鶯のうたい初め候 春の景色もととのうままに実は逢いたくなったのさ 【解説】 平山芦江作詞 春日とよ作曲 「ととのうままに・・・」に一中節をとりいれている。「梅一輪一輪ほどの […]
【歌詞】雪のあしたの朝ぼらけ 浪花(なにわ)の浦の 真帆片(まほかた)帆(ほ) 往来(ゆきき)の船で便りする 妾(わたし)や こうしているわいな 【解説】 宅 徳兵衛作詞 […]